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脳内会議室

クェーサーの日記と妄想の類。 オリジナル以外ではぬ~べ~の妄想が多いよ。BLNLGLどれでもやる上に、CP妄想の場合受攻も組み合わせもいろいろですので、苦手な方はご用心。

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アニメのゆきめが死ぬ回で…

不意に、来た疑問。

そして考えた。

ってな訳でゆきめちゃん、やっちゃって下さい。


☆★☆さぁて手っ取り早く律子先生さらっちゃおう★☆★


で、氷の洞窟!


「人間になりたいのだろう?さあ、ゆきめよ、その女の魂を奪うのだ」
「…………っ」
律子先生の魂を奪えば……律子先生を殺せば私は人間になれる。鵺野先生と幸せになれる……!
簡単な事じゃない!このまま氷で……氷で包めば良い。それだけでこの人は……。

その顔に苦悩を浮かべて、ゆきめは律子先生を見た。
「寒いわ……ゆきめちゃん、どうしてこんな事をするの?」
弱々しく問う律子先生は昼間ぬ~べ~に借りたマフラーを纏うのみ……ん?
おかしいわ。
ゆきめは記憶を辿る。
そう、おかしい。だって律子先生は、別にお風呂に入っていた訳でも、着替中でもなかった。服を着ていたはず。

「…………」
ゆきめの顔に影が走った。
うつむいたゆきめの顔から躊躇いが消える。

ジロリ。


「?」
一つしかない目で怪訝な表情をつくって見せた一本ただらに向けられた目はまさしく雪女の氷の瞳!
「どうして脱がせたの、ヤマオロシ?」
「ギク~~ッ!」
ヤマオロシが顔に似合わぬひょうきんな声を上げた。どうやら下心あっての行動らしい。
「もう!岩天狗といい、貴方といい、どうして山には変態しかいないの!?」
ゆきめの掌に巨大な氷柱が現れる。
「死ねぇっ、女の敵!変態お化けっ!!」
「ドキーーッ!こっこれはまさに冷たい雪女の瞳!」
「ゆきめちゃん……!」
何て頼もしい子……!律子先生は思った。

「あははははは、死ね~っ!」
「くっ、何故だ。何故、冷たい雪女の心を持ちながら人間に恋をし、味方する!?」
「ふん、貴方みたいなドスケベには、純真無垢な鵺野先生の魅力なんかわからないわっ!!」
「ゆきめちゃん、…………!」

ババーンと言い切るゆきめ。
膝をついた律子先生は唖然として言葉を出せなかった。
…………鵺野先生って結構スケベよ!
出せなかった言葉を心で叫んだ律子先生は滑りやすい足元に注意しつつ走った。

「己…氷の心を持とうと我々に歯向かうのならば要らぬ!」
「キャアアアっ!」
悲鳴を背に律子先生は涙ぐむ。
しかし戻るわけにはいかない。
目の前には陽の光。聞き馴染んだあの人の声も聞こえてくる。
力になれなくてごめんなさいゆきめちゃん、せめてあなたの誤解を解いてあげたかった……。


この後はアニメと同じ展開(マジかよ)
☆★☆こんなのイヤだっ!!!!!!!★☆★



はい、なんかもう…大丈夫か自分って感じです。
アニメと漫画であの一つ目キャラ名違ったんですね。
きっと何らかの差別的風俗から生まれた妖怪なんでしょうね。
後、あの顔も大分可愛くなってましたね。



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鬼と狐の化かし愛V

四月馬鹿の日ですね。
同居ネタでやってやらー!
いけいけ鬼と狐の化かし愛っ!!

☆★☆途中で選択肢があるよん★☆★

鵺「玉藻…ずっと黙っていた事があるんだ」
何やら先生、深刻ムード。
玉「?」
玉藻の方も、真剣な空気をかぎとった模様。
鵺「実は俺な…」
玉「実は、何です?」

鵺「実は俺、女だったんだ!!」

ババーンと宣言された玉藻は……


①パニクる
②余裕

☆★☆①はそのまま下にどうぞ~②の方はずんずん下へ~★☆★


動揺の表現はピクッと眉を動かすにとどめた玉藻。
無言で立ち上がると本棚へ。
何やら外国語が書かれたごつい本を開きブツブツ言いつつ凝視しています。

しばらくすると気が済んだのか、玉藻はぬ~べ~の横に戻ってきました。

鵺「(ちぇ、無視かよ。相変わらずお堅い奴)」
玉「脱いで下さい」
鵺「んー後で……って、何ぃっ!?」
玉「脱いで下さい」
玉藻先生、目がマジです。
鵺「いや、あ、あのさ…」
玉「下だけでも構いません。私の為と思って脱いで下さい。でないと脱がせますよ」
鵺「ハァっ!?待て!落ち着け…きょ、今日はだな…」
玉「別に血の臭いはしないが、生理でも問題ありません。良いから早く、こんな事を頼めるのは貴方だけなのです」
鵺「(…俺が女だって事前提で話してるのか?こいつ)」
無言で牽制していたぬ~べ~がふと気をそらせると、玉藻先生がぬ~べ~のベルトを引っこ抜いています。
鵺「わ~~~っ!ちょ、ちょっと待て!わかったよ、脱ぐよ、自分で脱ぐっ!!」

で、結局全部脱いだぬ~ど~じゃなくてぬ~べ~。

玉「……」
鵺「……おい、何だって言うんだよ!悪かったな、分かりやすい嘘ついて!」

玉藻先生は、裸を見るや否や郷子ちゃんがどうとか呟きながらまたさっきの本の所に戻ってしまった。

玉「は?」

…のだがぬ~べ~が言葉を発した途端にそれはそれはお怒りの御様子で振り返った。

玉「では貴方は女ではないのですね?」
鵺「…おう。で、さっきからその本何なんだ?」
本棚まで来たぬ~べ~は軽く背伸びして玉藻の手元を覗く。挿絵は男女の裸体と各部に伸びた矢印と何語かよくわからない文字。
玉「人体の構造について書かれた本です」
振り返った玉藻の目は心なし冷たい。
玉「……鵺野先生」
鵺「……ハイι」
玉「貴方のせいで私は自分の言語能力に不信感を抱くところでした」
鵺「え……まさか信じたのか?だってどう見てもお前と同じだろ?」
玉「だからこそ、あやうく明日から入るトイレを変えるところでもありましたが何か?」
ガシッと、ぬ~べ~の首に手をかけた玉藻の笑顔は99%完璧であったがよく見るとこめかみに血管が浮いていた。
鵺「……エ、エイプリルふぐっ!」
玉「最期位選ばせてあげますよ。手形と歯形…どっちにしますか?」
鵺「くっ……ぅ鬼の手っ!」
玉「ちぃっ!」
鬼の手による攻撃で何とか死亡フラグを引っこ抜いたぬ~べ~だったが、怒り心頭に発すと言った状態の妖狐が目の前から消えた訳ではない。
一瞬の隙をついてぬ~べ~は脱兎の如く駆け出した。
目指すは外だ!
玉「待てっ!」
鵺「死んでたまるかーっ!」
女「きゃあ~~~っ!!変態よーっ!!」

パッチーン☆★

鵺「しまった俺今裸だったーっ!!」

玉「……だから待てと言ったのに」
首さすまたを持ったまま、自宅玄関の壁にもたれて呟いた玉藻は、フッと笑って玄関扉に鍵をかけた。


☆★☆教訓:エイプリルフールのおふざけは冗談の通じる相手に★☆★

じゃ、玉藻先生は冷静沈着勉強熱心!ぬ~べ~の嘘なんかに騙されません!と思って②を選んだ貴方はどうぞここからお読み下さい。

☆★☆②★☆★


玉「……そうですか。実は私も、貴方に隠していた事があります」
鵺「……え?」
玉「非常に言いにくい事なのですが……いや、やはり……でも……」
鵺「な、何だよ?何を……」
玉「いえ、やはり言えない。貴方には…貴方にだけは……。気の迷いです。私はどうかしていたんだ。忘れて下さい」
玉藻は憂いに満ちた苦笑を浮かべて二人掛けのソファの肘掛けに体重を預けた。
鵺「……悪いけど滅茶苦茶気になるんだがι」
玉「後悔…しますよ?きっとね」
鵺「だ、大丈夫だ。それに、何か悩んでるなら力になる」
しばし複雑な表情で己の指先を見つめていた玉藻は、それはそれは真摯な表情でぬ~べ~の方を向き直った。
玉「私と覇鬼は恋仲です」
鵺「…………」
玉「…………」
玉藻は、仄かに赤らんだ頬をして沈黙に耐える。
鵺「え、え、あ……あのさ覇鬼ってこの?」
恐る恐る左手を見せるぬ~べ~。
玉藻が愛しげにその手袋に包まれた手に触れる。
玉「はい」
鵺「えっとさ、あの今日って…」
苦笑いを浮かべたぬ~べ~が、エイプリルフールだから嘘をついてるんだよな?
と問おうとすると鬼の手の封印が不意に解けた。
覇鬼「うが」
鵺「(ははーん、さては玉藻が滅茶苦茶な事を言うから否定しに出てきたな)」
覇「うがっ♪」
鵺「!?」
自分の左腕が、玉藻を抱き締めている。
玉「あっ…覇鬼!?コラ、駄目じゃないか、今は鵺野先生が起きて……」

今は?

恥じらって慌てるような、でも本当はそうしてたいような、玉藻はそんな顔を見せる。
鵺「……すみません つかぬことを うかがいますが もしかして マジですか?」
鵺野先生ショックのあまり漢字が使えません。
玉「……先生が眠った後だけが、二人に許された時間でした」
覇「うが…好きうが」玉「覇鬼…」
覇「熱い夜うがっ」

玉藻と覇鬼の台詞が微妙に噛み合わない気がするものの、覇鬼の頭の出来を考えればおかしくもない事なのかもしれない。
それに至近距離で見る今の玉藻のこの表情…それはまさに恋する乙女……。

鵺「(そうか…玉藻が俺に良くしてくれたのは覇鬼の宿主だからか…でもだからって…おっ俺は一体どうすれば…ι)」

ぬ~べ~がパニクる間も左手はうがうが言いながら玉藻の髪を撫で続けている。
何か小さく「痛っ」と聞こえたのは気のせいだろう。

鵺「っ…………くっ、お、お幸せに!?」

右腕で涙を拭いながらぬ~べ~が言ったその時。


玉「フッ…」
パチン☆
覇「うがー!大成功うがっ」


鵺「……あ゛?」
自分の左手が玉藻とハイタッチしている。


……やられた。
鬼と狐の共同戦線だった訳だ。

鵺「お前ら~…」
わなわなとうち震えるぬ~べ~の発音は『ら』って言うか『るぁ』になっています。
凄んでみても玉藻先生はひたすら高笑い。覇鬼はうがうが言っている。
鵺「も~お許さん!エイプリルフールが何だ!今度から便所で拭くとき絶対左手使ってやるからなっ!!」
覇「うがっ!?(涙)」
左手に向けて怒鳴るぬ~べ~。無論紙はエコロジックに少なめ使用のつもりだ。

覇「うが~っ!狐ズルイうがっ!!」
こそっと物陰に逃げている玉藻に左手が指を指す。
玉「ちっ…」
鵺「覇鬼、俺の仕返をどうにかしたかったら玉藻に頼むんだぞ?きっと何とかしてくれるからな~っ」
覇「わかったうが」
玉「なっ…!?ぬ、鵺野先生何を言うのですか!?嫌ですよこんなのにベッタリ頼られるなんて!」
鵺「ほーう、さっきは随分仲良さそうだったじゃないか。優しく助けてやれよ、恋人だろ?」
玉「くっ……己ぇ…」
鵺「何だよ?」
玉「いいえ、何でも(この借りは、必ず返しますよ……鵺野先生…)」
玉藻は口角を上げて笑顔を作るもギリギリと歯ぎしりの音は洩れている。
鬼の手をしまったぬ~べ~も笑顔を作っているものの、どう見ても顔が怖い。

玉「はははははは(怒)」
鵺「あははははは(怒)」
覇「(うが~~~~/涙)」

エイプリルフールは、何だか禍々しく笑いあって過ぎたそうな。
そして深夜の部屋に『二人の時間』にぬ~べ~が仕返しを実行した際の作戦行動を話し合う鬼と狐のヒソヒソ声が(笑)

☆★☆教訓:怒らせ過ぎにはご用心★☆★


何か途中、覇鬼×玉藻風味ですね。
うん。
まあ…前にお風呂で、玉藻がとっても筋肉フェチだったら…って考えてたらなんか成立してしまったんですよ、ハハハ。
ちなみに、この4・1VER以外なら玉藻×でもOKです(よせ)
恋に落ちたのは鬼の手の暴走の過去画像見た時です。



おまけ

『行事に無関心な玉ちゃん』

鵺「今日はエイプリルフールだな。だが、俺を騙そうったってそうはいかないぞ?お前の言うことは今日は信じないからなっ!」
玉「そうですか(何を言ってるんだこの男は?)」
鵺「……」
玉「……」
鵺「……」
玉「……何です?」
鵺「なあ、何か嘘つかないのか?(対策を練ったので活用したい)」
玉「私はいつもついていますので、別に今日つく必要は無いです」
鵺「!!?な…なんだよ嘘って…まさか…実は医者じゃなくて単なるコスプレ!?」
玉「手術しているのを見たでしょう?(ばかばかしい言いがかりだ)」
鵺「……実は広のドクロまだ狙ってるとか…」
玉「ああ、狙っていたのと私は別の妖狐です。私は彼からこのドクロを借りているのですよ…私が今狙っているのは律子先生です」
鵺「何ぃっ!?」
玉「嘘です。満足しましたか?」
鵺「…ほ、本当に嘘か?」
玉「さあ?では、私はこれから仕事なので…アディオス!鵺野先生」
鵺「……あ、う……(何と呼びかけて良いか分からない/笑)」

ちなみに、最後のも嘘です(笑)

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遅れたけどもホワイトディ(玉藻、ぬ~べ~カプ物)

バレンタイン同居ネタの続きって感じですね。
何とか四月にならずに済みました。

☆★☆時は3/14★☆★


その日、朝っぱらから、玉藻はニコニコニコニコしていた。
「鵺野先生っv」
「…な、何だよ」
「今日は何の日でしょうか?」
「え?何かあったか?」
ホワイトデイ、それは鵺野鳴介の生活に関係ない事この上ない日であった。
故に、聞かれてパッと出てこない。
そして、その対極であるひと…今日は大変な一日になるであろう玉藻はちゃんと覚えているようだ。
「ホワイトデイですよ!ほら、バレンタインのお返しする日なんでしょう?」
あの後、ちゃんと調べたんですよとちょっと得意気な玉藻に向けられたぬ~べ~の目は冷めたものだった。
「…はいはい、よくできまちたー」
もてない教員は、着替ながらケッとでも言わんばかりであります。
もってもての医者は、普段なら怒ったであろうぬ~べ~のヤル気の無い反応にも笑顔を崩さない。
「だから先生、私、ちゃんとお返ししますね」
ぎゅっ、もてる男の顔なんか見たくないと言いたげに背を向けたぬ~べ~の肩を掴んで振り向かせ、玉藻はよくわからない宣言をした。
「ふーん。沢山貰ってたもんな…でも、何で俺に言うんだよ」
先月のキレ様を頭に浮かべつつ、ぬ~べ~は玉藻を心底つまらなさそうに見る。
「鵺野先生にお返しするからですよ」
当然でしょう?とでも言いたげに、玉藻は首を傾げた。
「俺は何もあげてないだろ?看護師さんとかにお返しするのが筋じゃないか」
「では動物霊でも送りつけましょうか?それとも毛束ですか?」
「……ι」
髪を摘んで見せた玉藻の笑顔に黒いものが混じるのを見て、ぬ~べ~の顔がこわばる。
「…今のは、忘れてくれ」
「はい。それでお返しですが…今日、明日、明後日と鵺野先生の事を全力で守ってあげます!三倍返しするものなんでしょう?」
「はぁっ!?何だそりゃ!?」
意外にさらっと黒い考えを捨てた玉藻の返答は意味不明。
「あ、ついでに貴方の生徒も守ってあげますよ」
追加事項もまた意味不明。
「玉ちゃん?病院はどうすんの?」
「その辺りは気にしないで下さい。誤魔化すのは得意です」
つまり、サボる気満々。完璧!と言わんばかりの笑顔でぬ~べ~を見ています。
「嬉しいですか?」
「ええいキラキラした目で見るな馬鹿っ!ありとあらゆる意味でとりあえず病院行ってこいっ!後、顔近いからっ!!」
「はぁではまずこっくりさんの準備を…」
「それはしなくていいのっ!…それに、別にお前に守ってもらわなくても、鬼の手使った上にお前に手伝ってもらわなきゃいけないような強敵は滅多に出ないぞ」
ぬ~べ~はさりげなく大接近している玉藻を押してひっぺがす。
「でも、私がいたら狐の妖怪との争いは大体避けられるし、それなりに頭のある弱い妖怪は襲って来ないですよ。格の違いも判らない馬鹿は…来ますけどそんなのは追い払うより殺す方が簡単な位ですし」
「お前がそんな事をする必要はないだろ?何かしてくれるつもりだったら、俺が怪我したら病院行くから、治してくれればそれで良いって」
それを聞いて玉藻はいかにも不満であるという表情を浮かべた。
「…それじゃあいつもと変わらないじゃないですか。私はあの日、先生がかばってくれて嬉しかったから、そのお返しに…ありがとう…と言うかわりに…」
「……」
尻すぼみになっていく声量に反比例して、玉藻の頬に朱がさすのを見て、ぬ~べ~はあんぐりと口を開けた。

そんなに、嬉しかったのか!?

「……」
「鵺野先生、私の考えたお返しは駄目ですか?」

……あの時、俺は結構恥ずかしかったなぁ……。

2/14を思い出しながらぬ~べ~は心の中で呟いた。
そしてニヤリと笑った。

俺も『お返し』するか。

「玉ちゃんv俺は今のもう三回言ってくれた方が嬉しい」
「え……」
にやーっとするぬ~べ~。
お返しと言うより、照れ臭い事を言うはめになった事の仕返しである。
感謝の言葉と言うものは、言うタイミングを逃すと非常にきまりが悪いものであるのは妖狐にとっても同じらしく、玉藻は困ったように視線をさ迷わせている。
「ほら、早く言ってくれないと遅刻するじゃないか♪」
その言葉の後、口を開こうとしてやめた玉藻はうつ向いて、深く息を吸った。

「鵺野先生、私の考えたお返しは駄目ですか?鵺野先生、私の考えたお返しは駄目ですか?鵺野先生、私の考えたお返しは駄目ですかっ?」

起きがけとは一転、ムスッとした顔で一気呵成に、感謝のかの字どころかkaのkさえも感じさせない目つきで、玉藻は同じ言葉を繰り返した。
「言いました。お礼完了です。鵺野先生なんかもう嫌いです。病院行って来ます」
続く言葉も早口で、それこそケッとでも言わんばかりである。
そしてバサッと白い上着を手に玉藻は部屋を出んと玄関に向かう。
「ム…それじゃないっつーの!」
「ああ、そうだ、鵺野先生」
ピタリ。玉藻が立ち止まり肩越しに振り返る。
「もし貴方が今日怪我をして病院に来たら…フフフ、ちゃーんと、治してあげます。私は医者ですからね」
「え?ああ、ありがとう」
明らかに善意で言っていないのがわかる笑みを向けられ、今度は何を言い出すかと構えていたぬ~べ~はきょとんとした後、引きつった顔で固まった。
次に続いた言葉が酷かったからだ。
そして叫んだ。
後、土下座した。
「申し訳ありませんでしたーーーっ!!!!」

ちなみに玉藻が言った言葉。
『保険証を焼き払ってから要らない検査を山程してさしあげます。化膿予防に抗生物質も出しましょうね。まだ月の半ばですし…お給料無くなってはいないでしょう?』
平たく言うと、保険使えなくした上で治療費水増ししてやるから覚悟しやがれ、という事である。
「フッ、謝罪は無駄です。我々妖狐は嫌いな人の声は聞こえないようになっているのでね」
靴をはく玉藻の台詞はあからさまに嘘である。
「ぬぐっ…聞こえてるじゃないか!」
「聞こえません」
「嘘つけ!」

パタン。
会話を続けながらも着々と靴をはいていた玉藻の姿はドアの向こうに消えた。

「…やっぱ守って、玉ちゃん」

万一さっきの言葉を実行されたら…そう思うと血の気が引いてきたぬ~べ~は既に閉じた扉に小声で言った。
「ぷっ」
扉が笑った。
ぬ~べ~は瞬時に狐に抓まれた事を悟った。
幻視の術だ。

「最初から素直に頷けば良いのに♪」
口角を上げて肩を小刻に震わせて…さっきまで扉に見えていた玉藻が笑う。
「この野郎っ!!」
靴をつっかけ、右手を振り上げて、ぬ~べ~が飛びかかった。
「あはは、そんなに殴りたければまず捕まえてご覧なさい」
それをヒラリかわして駆け出す玉藻。
「待て~~っ!!!!」


もちろん、玉藻先生が逃げ込んだ先は小学校。ぬ~べ~先生は一日中くっつきまわされたそうな。


☆★☆流石に三日はやらなかった辺りがきっと玉藻先生の大人げです★☆★


はぁ~ギリギリセーフ(^_^;)


☆★☆「ぷっ」以降分岐★☆★
「ぷっ」
笑った扉に間髪入れずにぬ~べ~が蹴りを放った。
「おっと危ない」
「た~ま~も~!人をからかうのもいい加減にしろっ!」
怒鳴るぬ~べ~にやれやれ、と玉藻は肩をすくめる。
「全く、近所迷惑な人だ。ここ、ペット禁止なんですよ?」
「誰がペットだ誰がっ!!」
「喧嘩をしていてはうるさくて仕方ないですね。仲直りの印にさっきのお願いを聞いてあげましょう」
「してくれんで結構だっ!」
地団駄踏むぬ~べ~の顎に玉藻の指がかかった。
「!?」

いや、仲直りの印にしてはやりすぎだろ。

何か急にキスされた…そんな現実からの逃避のあまり心で現状に第三者的に突っ込むぬ~べ~。
しかし妙な感覚で現実に引き戻される。
その感覚を擬態語で表すならモシャモシャ。
毛玉?

「じゃあ先生、いってきます!それ、捨てたら嫌ですよ~」
口から唾液まみれのモシャモシャを引きずり出して嫌悪感たっぷりな顔をしているぬ~べ~に、御機嫌な様子で手を振って玉藻は今度こそ本当に出勤した。

「…これが…狐玉」
ちょっとベトベトして気持悪い黄金色のモシャモシャした球体を嫌そうに掌に載せたぬ~べ~は呟いた。

目の前で妖狐が吐き出したんだ…

「確かに霊験あらたかだろうが…」

凄く嫌だ…。


「でも、お守りにしろって事なんだろうなぁ…」

どんよりしている間に遅刻が確定したぬ~べ~の今の気持ちを表すのに最適な文字列は「orz」
捨てたらバレそうなのでティッシュにその毛玉をくるんでポケットにしまい、肩を落としながらぬ~べ~も出勤した。

☆★☆Theありがた迷惑★☆★


何か、キツネの生態についてネットを探していたら狐の伝承に行き当たりまして…何か、吐くらしいですよ。
で、古文の中の人物達はありがたがっていたらしいですよ。
どう読んでも毛玉としか読み取れない代物だったらしいですが(笑)
雀やなんかも吐いた描写があったらしいですが、ありがたがられ方が狐は別格だったとか(同じようなもんだろ/笑)

生物としてのキツネの話じゃなさげだったんで飛ばし読みな上に、一サイトしか見てない為、信憑性は何とも言えませんが何かおもろかったので吐かせてみた(爆)
神秘性を除いたら、毛づくろいの末に出来た毛玉なんじゃないかな?



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プロフィール

HN:
クェーサー
年齢:
38
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1986/01/22
職業:
WEB社員&零細絵描き
趣味:
漫画、カラオケ、美術館巡り
自己紹介:
普通に就職しつつ漫画家目指す輩です。
雑誌に載るの目指して投稿してるです。
お前漫画とか絵描けよって依頼ありましたら言ってください。有償だとかなり嬉しいですが、無償でも応相談です→ mushquasar-hpkankei@ヤフー(ヤフーのお決まりの奴)

ちなみにHPの正式名称はMagical★M、PN,HNはクェーサーです。

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