ふ…なんか忘れてると思ったら玉ちゃんの誕生日じゃんよってな訳で、一回消えたけど玉ちゃんの誕生日ネタ!
片思いでいっちゃいまっせ!!!!(涙)
☆★☆誕生日くらいは思い通りに★☆★
1月25日平日。玉藻先生は普通~に仕事をしていました。
でもやっぱり、いくつになってもバースデイと言う物は何かしら良い事があるような気がしてしまうものです。
まあ…朝方、石蕗丸が谷の若い衆を引き連れて挨拶に来てくれるまでは忘れていたのですが、思い出すとついつい期待感が高まるのでした。
仕事を終えた玉藻先生。今日は徒歩で帰路につきます。
年が年だから、もう奇跡なんていう物がそう滅多に起きるものではないこと位知っています。
でもちょっとだけ、ちょっとだけ、何かしら素敵な偶然を期待しているのです。
そう具体例を挙げれば、鵺野先生が急に現れて抱きついてくるとか、鵺野先生が「大好き」なんて言ってくるとか…。
そんなことを思うのと並行して、自分の行動の馬鹿馬鹿しさを他人の物の様に批判していると、背後から何とも心とときめく足音が聞こえて来ました。
ぬ~べ~です。
しかし、期待に満ちた顔をして振り返るのも恥ずかしいので、玉藻先生は知らんふり。
鵺「たーーまーーちゃ~~ん!もー大好き!愛してるっ!!サイッコー!!今日は何でも奢ってやるぞ~♪♪」
はて、まさか私は自分で自分に幻視の術でもかけたのだろうか?
どうも、自分より少し低い位置にある肩から伸ばされた様な腕が自分の肩から首にかけて絡みつき、剛毛が顔に当たり、右半身が温かい気がする…。
石蕗丸達がこんなに精巧な幻術をかけてくるとも思えない。
…今さっきの、頬に触れたしめって柔らかい物はまさか…唇!?
玉「鵺野…先生?」
いや、いるはずがない。ああどうしよう。こんな往来で妄想をそのまま再現してどうする?
心拍数など上げている場合ではない…。早く術を解かなければ!うう、しかし…解きたくない…。
父上、母上、ごめんなさい、私はどうしようもなく駄目な…。
鵺「術って何だ?」
玉「え……?」
鵺「今、ブツブツ行ってたぞ」
怪訝な顔のぬ~べ~。
玉「微動だにしないで下さい」
鵺「?」
玉藻先生は、ぬ~べ~の肩を掴んで動きを止めさせます。
しかしぬ~べ~の姿は変わらずそこにあります。
幻視の術じゃない!?
ああ、きっとこれは神が私を憐れんで見せた夢なのだ。
私は今仮眠室で寝ているんだ。
玉藻先生はぐるぐるする頭でこう結論付けました。
鵺「で、何が食べたい?」
玉「えっ……」
そりゃあもちろん…。
玉「鵺野せ……」
あ!いや夢だからといってこんな事を言ってしまって良いのだろうか。
玉藻先生の理性は必死で踏ん張っています。
いやでも夢だからこそ…私の夢は基本的に私しか見ていないはずだし…。
本能の方も頑張ります。
自分の名を呟いたと思ったら、何やら悩み始めた玉藻先生を見て、ぬ~べ~が拍子抜けした様な声を出しました。
鵺「なんだ、俺の好きなものでいいのか?」
ぬ~べ~、無欲な奴だなとでも言いたそうに笑っています。
その言葉に玉藻先生は肩を落としました。
全く……なんと夢の無い夢だ…我ながら呆れてしまう。こんな所まで現実的にしなくてもいいのに……。
そうだ、どうせ夢なのだったらここで場面転換してしまえば良いじゃないか、そして…っして日頃のフラストレーションとか願望とか色々……。
鵺「お、おいおい玉藻。こんな所でフラストレーションって…」
玉「…はあ、良いじゃないですか、夢の中で位、夢見させて下さいよ……」
鵺「ん?何言ってるんだ玉藻…もしかして寝ぼけてるのか?」
もう良い、こうなったら押し倒してやる!玉藻先生がそう心に決めた時、ぬ~べ~は肩を組んだまま、玉藻先生の頬を引っ張りました。
玉「…………あの、もしかして今は夢じゃなくて…」
鵺「現実だよ。大丈夫か?」
玉「は、はははっ、そう、ですか」
もうちょっとで大変なことをしでかす所だった玉藻先生は自己嫌悪で地面にめり込むかと思いました。
鵺「ふふん。よーし、じゃあ俺が、欲求不満の玉ちゃんの為に一肌脱いじゃうかな♪」
玉「えっ!?鵺野先生、何を!?」
鵺「ちょっと待ってろよ」
自分の欲求不満の為に一肌脱ぐという事はつまり…と、膨らんできた妄想を振り払えないままに、玉藻先生は公衆電話に向かうぬ~べ~の背を見守ります。
心臓はどきんどきんと張り裂けそうな位に脈打っています。
冬なのに暑いです。
イシカワセンセイって何だしたっけ鵺野先生?
鵺「待たせたな~。でも期待してろよ~♪あの店、可愛い子が一杯いるからなっV」
玉「……は?」
ぬ~べ~は、鼻の下を伸ばしています。
鵺「あ!金なら心配要らないぞ~。先週な、競馬やったんだよ。でさ、こういう時に霊感使うわけにもいかないだろ?でも俺、馬はあんまり知らなくてな。そこでだ、タマモなんとかって奴がいたから賭けてみたら大穴に大当たり!!お前に礼を言おうと思って、今まで使わないように我慢したんだぞ~」
一体全体何回『人間の女になど興味は無い』と言えば貴方は分かってくれるのですか?
玉藻先生が心でそう叫んでいるのを他所に、ぬ~べ~は『お前のおかげだ』とか何とか言っています。
玉「……鵺野先生。今日は、何の日か……ご存知ですか?」
鵺「え?何かあったか?給料日はまだ先だろ?給食費…じゃないな」
玉「……誕生日、なんですよね。私」
鵺「ああ、そうだったのか?ははは、おめでとう!何歳だ?」
微妙に青筋浮かせてる玉藻先生に対し、ぬ~べ~はにっこにこのままです。
玉「~~~~っ…17歳です!だからいかがわしい店になどいかん!!」
鵺「おいおい、何拗ねてるんだよ!?」
玉「私は忙しいんだ!放っておいてください」
鵺「良いじゃないかたまには。どうせ仕事の帰りなんだろ?」
とってもご機嫌なぬ~べ~、いつもの半分のデリカシーもありません。
結局、ぬ~べ~と一緒にいたくてついて行った玉藻先生は、酔った振りして王様ゲームでキスさせた上、ぬ~べ~を自室にお持ち帰りしたのだとか。
鵺野先生が自分の部屋にお泊り……それこそ夢にまで見た夜は、とっても、むなしかったのでベッドの横で三角座りして過ごしたそうです。
☆★☆・・・…なるわけがねぇっ!!★☆★
うん、きっとこの誕生日は玉藻先生の黒歴史として重く沈殿するのでしょう!(おい)
この前言ってた競馬ネタがまあコレです。
この話だと、谷のロリショタに大人気みたいだし…そっちに走ったら薔薇色ライフだと思うんですけどねぇ(笑)
さすがに眠いので、学校行って帰ってきて絵が描けてたらそれもupしますね。