わーい間に合った~☆
玉藻先生の家族構成捏造してます。
エイプリルフールネタだし良いかなと。
☆★☆ええっまさかの玉ぬ兄弟ネタ!?★☆★
ぬ「玉藻~っ!」
マンション側で待ち伏せしていたらしく、何やら嬉しげに手を振って寄ってくるぬ~べ~。
玉「何です?」
ぬ「今日はさ、お前に言わなきゃならない事があってな」
玉「はあ」
ふっふっふと不敵に笑うぬ~べ~に対し、玉藻はやる気のない返事を返します。
ぬ「…これからは、『お兄ちゃん』って呼んで良いぞっ」
玉「…は?」
この胸に飛び込んでおいでと言わんばかりに両腕を広げるぬ~べ~に、玉藻先生は腕組みして眉を寄せます。
玉藻先生の方が歳上ですから、ぬ~べ~がとちくるった行動をしているのは明らかですからね。
ぬ「そうか、まだ聞いてなかったか。実はな、俺…だは~っどうしよっかなやっぱ止めようかな」
玉「……」
ぬ~べ~は何やらクネクネとしはじめました。
それに対して玉藻先生が突っ込みを入れるタイプかというと、まあ……そんなことはないので、スルーしてマンションに入らんと背を向けてしまいました。
ぬ「あーっ、待て待て話を聞かんかっ」
玉「…何です」
ぬ「実はな、俺、お前の姉さんと結婚することになったんだ」
玉「……は?姉…と?」
玉藻先生は、The寝耳に水と言った顔でぬ~べ~を見ています。
一か八かの作戦成功!
いなかったらいなかったでエイプリルフールの嘘だよ~で済む訳だが、どうも奴には本当に姉がいたらしい!
ぬ「おう!」
玉「……そうですか…まさか人間となんて結ばれはしないと…そう思っていたのに」
にまにまとしたぬ~べ~が、いつ嘘だと明かそうかと思案していると、何だか玉藻先生は微笑んでいます。
玉「鵺野先生…姉の想いを受け止めてくれてありがとうございます」
ぬ「…え?」
何だか、雲行きが怪しい。
玉「姉は、貴方のことをずっと好いていたんです。貴方が姉に会うよりも前から…ずっと、声もかけられずに見ていたのだそうです」
玉藻先生は、限りなく、優しい目をして言います。
ぬ~べ~の顔がひきつりました。
ぬ「嘘…だろ?」
玉「信じられないのも仕方がないでしょうね。あのひとは無器用なのに、そんな所を隠すのだけはうまいから」
ぬ~べ~はもう冷や汗が止まりません。
一体、今まで会った女性のうちの誰が玉藻の姉だったのか…必死で記憶を探りますがさっぱりわかりません。
取り返しのつかないことをしたような気がして頭ぐるぐる状態のぬ~べ~に、玉藻が悪戯っ子のような笑顔を向けました。
玉「こんなことになるなら、どうせ鵺野先生は一生独身だから形だけでも、なんて言って婚姻届出すんじゃなかった」
ぬ「え゛!!?」
玉「…はは、すみません」
ぬ「いや、おまっそれっ」
玉「でもまあ、良いですよね!出す手間省けて」
玉藻先生はぬ~べ~の肩をぽんと叩きました。
ぬ「よっ良くないっ!!」
玉「良いじゃないですか、許してくださいよ。ちょっと可愛い弟が先走っただけじゃないですか!」
ちっとも可愛くない!!
ぬ~べ~は心の中で絶叫しました。
玉藻先生はぬ~べ~の肩を馴れ馴れしく笑いながら叩いています。
既に、身内扱いなのでしょうか。
玉「で、祝言はいつですか?大々的にやりましょうね。そうだな親戚一同に近所の稲荷、それから…ああ九尾様へのお知らせはこちらでちゃんとしておきますよ。あ、準備は任せて下さい!人間の様式も取り入れるように言ってあげますからね!何風が良いいだろう…。姉さんなら真っ白なウェディングドレスが似合うと思いませんか、先せ…あ、いや、お兄ぶっ…」
ぬ~べ~は、嬉しそうに早口で捲し立てる玉藻先生の口に張り手をかましました。世にも恐ろしい単語を吐こうとしたからです。
玉「何をするんですか。誰も生徒は呼ぶななんて言ってないでしょう?」
ぬ「いやっ…だから…ち、違うんだ!本当は…」
玉「ふっ、何を今さら照れてるんです?しゃんとなさい」
ぬ「だからーっ!」
玉「ふふ、晴れ姿、楽しみにしていますよ」
アディオスと告げて玉藻先生はマンションのエントランスへ続く硝子扉を開けて中に入ろうとしています。
ぬ「あ~待て!嘘なんだって!本当に本当に嘘なんだ!!」
玉「……」
ロックが解除されたままの戸を押さえて、玉藻先生は立ち止まりました。
ヤバいふざけすぎた…ぬ~べ~は後悔しつつも、俯いてごめんと言いました。
そして恐る恐る視線だけ上げた先の玉藻先生は…先程までの喜びようはどこへやら、何だかこちらを見下すような目をしています。
玉「ああ、謝らなくて結構ですよ」
声色も、何だか嘲るような調子です。
そりゃあ…あの様子だと大好きらしい姉の想いを…ぬ~べ~は踏みにじったような形になりますから、当然でしょう。
ぬ「……ごめん」
玉「…だから、本当に構いませんって。私は一人っ子ですから」
ぬ「……は?」
しゅんと項垂れていたぬ~べ~が再び顔をひきつらせる頃には、性悪狐は硝子隔てた向こう側で高笑い。
ぬ「~~~~~っ、玉藻~~~~~~~~~~っ!!!!」
絶叫するぬ~べ~を背に、すかした笑みを浮かべた玉藻先生はポケットからビリビリの紙屑を出してゴミ箱に捨てました。
そして溜め息を一つ。
玉「……全く、どうせあんな男が結婚出来ないのだから良いじゃないか」
眉間にシワを寄せてまた溜め息。
玉「……やはり嫁の方に鵺野鳴介はまずかったか」
どこかの可愛い一人っ子が、勝手に婚姻届を出したのは、本当だったみたいです。
☆★☆ちゃんちゃん★☆★
真実の紛れた嘘はバレにくいってね(笑)
家族構成捏造は、玉ちゃんひとりっこ説でした☆
……でも、美人の姉がいてもシスコンでも驚かにゃい。むしろああいうタイプはスーパーファミコン(笑)
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