はいはいそろそろ雛祭り。
ヒナマ、釣る準備は出来てますか!?(改蔵ネタです)
クェは妄想の準備位しかしてないよハニーっ(誰だ?成瀬か?)
同居ネタかつ、両想いな玉藻×ぬ~べ~で行ってみまっしょい!
☆★☆玉藻先生は何か一生懸命準備してるみたいですよ~★☆★
カタコト。
鵺『ただいまー。ん?』
ぬ~べ~が小学校から帰ってくると、今日は休みだった筈の玉藻が迎えに出てこなかった代わりに物音がします。
鵺『玉藻?(掃除でもしてるのかな?)』
ぬ~べ~がてくてくと部屋の中に入っていくと……。
何か、今まで生きてきて、そう、昔に郷子のうちで見た以外は縁の無かった代物がちゃくちゃくと組み立てられている最中だった。
鵺『……玉ちゃん?』
口許を引きつらせながら、ぬ~べ~は、真剣な面持ちで豪勢なそれを組み立てる妖狐につけた愛称を口にします。
玉『確か、三人官女はこれが真ん中で……あ、鵺野先生お帰りなさい』
いつもなら不快感を示す愛称どころかぬ~べ~の帰宅までさらっと流して、玉藻は作業に戻る。
鵺『玉藻……それって雛人形だよな?』
玉『はい』
ひょいと玉藻の手元を肩越しに覗けるように右手を右肩にかけてから、極太の眉毛を寄せたぬ~べ~。
鵺『ま、まさか天井裏に隠し子(娘)を隠してるなんて事はないだろな?あっ、でももしいるならな、そうまでして隠さなくても俺、誰にも言わないぞ?』
玉『何を言っているのですか?』
鵺『……ち、違うのか?』
玉『はい。私には子供などいません』
訝しげに横目でぬ~べ~を見たものの、玉藻はまた作業に戻る。
鵺『…………』
玉『…………何です?』
何と言うか乙女にはあまり読ませるべきではなさげな文字列で書き表せる部位……多少ぼかした表現を選べは股間に手が伸ばされる気配を察知した玉藻はちょっと身構えて背後のゲジ眉をを睨む。
鵺『う……いや、流石に……ないよな』
玉『何がですか?はっきりと言って下さい』
さりげなくぬ~べ~の左手を払った玉藻は、少々いらついた様子です。
鵺『……おっ、お前が実は女の子……なんて事は……』
玉『は?』
玉藻のしごく短い反応は、この子バカ?と言わんばかりでした。
鵺『ぐっ……じゃ、じゃあ、娘がいるんでもなく、自分が女じゃないなら何でこんなのがいるんだよ!?』
ぬ~べ~はちょっと嫌な予感がして、玉藻の手の中の
狐の顔をしたお内裏様を指しました。
玉『……だ、だって……』
先程とはうって変わって、玉藻の声が不安げに揺れます。
玉『だって、お雛様飾り忘れた位で鵺野先生がお嫁に来られなくなったら、嫌じゃないですか!』
鵺『……』
ゴスッ。脱力したぬ~べ~が垂れた頭が玉藻の背中に当たりました。
鵺『……どう関係してんだよ?』
玉『雛飾りを出し忘れると……お嫁に行けなくなるという呪いがあるらしいのです』
声のトーンを落として説明する玉藻。
鵺『妖狐は男も毎年飾るのか?』
玉『いいえ』
自分なりの結論が出て脱力状態から復活した次の瞬間、あまりにアッサリ否定され、ぬ~べ~はこけた。
じゃあ、さっき敢えてスルーした『鵺野先生がお嫁に
来られなくなったら嫌』っていうのは…………!
いやいやいやいやっ!
まだ、まだだ。
ぬ~べ~は、お内裏様以外も全て狐の顔をしているという点にまだ希望を持っていた。
鵺『ゴホン……別に、俺が嫁に行けなくたって、玉藻、お前が嫁入りしてくれたら……別に良いんじゃないか?』
ニッコリと、顔一杯に冷や汗と笑顔を張り付けたぬ~べ~は、攻めキャラポジションについても諦めてはいない様子。さすが、地縛霊並に諦めの悪い男です(笑)
それを聞いた玉藻は酷くしょんぼりとしてしまいました。
玉『私は、もう、手遅れなのです……』
鵺『え?』
玉『私はもう399回も忘れてきたから望みが…。今の日本の少子化は御雛様を出さない家が増えたからだって…』
深刻な表情です。玉藻先生は真面目に言ってます。
鵺『そんな事はないさっ!』
ぬ~べ~は玉藻の肩に腕を回し、ビシッと上の方を指差す。
玉藻はつられてぬ~べ~が指す天井の隅を見、何もないので今度はぬ~べ~の指先を見る。
何だかちょっと青春チックな光景の中、ぬ~べ~は玉藻が掌に載せていた男雛を取り更に続けました。
さりげなく女雛を玉藻に渡す事も忘れません。
鵺『俺は、こういうのは回数じゃなくて、気持ちだと思うんだ!』
どうだ俺の演出!とぬ~べ~が調子に乗っていると雛人形に目を落とした玉藻が呟きます。
玉『気持ち……、きちんと敬えということでしょうか』
鵺『……お嫁に
行きたいです~って気持ちもじゃ、ない、かな』
玉藻がほんのり照れた様子ではぐらかすので、ぬ~べ~もちょっと恥ずかしくなって視線をさ迷わせます。
鵺『ええと……玉藻っ』
玉『?』
鵺『うう……あ、あ、あのさっ、この雛人形!変わってるよな!特注か!?』
ああやっぱり臭い台詞なんて言えない!!恥ずかしさで挙動不振になりながら、ぬ~べ~は人形に興味津々のふりをしました。
…すると、何かが光を反射しました。
不穏な輝き……カメラのレンズのようです。
鵺『……玉藻、これはお前がもとから持ってたのか?』
玉『いいえ』
確かに、年代物には見えない。
鵺『……じゃあ、買ったのか?』
玉『いいえ』
鵺『…………じゃあ、これはどういう経緯でここに来たんだ?』
玉『九尾様が今日来るようにと私を呼んでいらっしゃったので…』
鵺『行ったら、これを渡されたのか?』
玉『はい』
鵺『御雛様の呪いがどうとか言ったのも奴か?』
玉『なっ!駄目ですよ奴なんて言ったら……無礼です!!』
鵺『……これ渡された時にさ、テレビとかパソコンとか…そういう物のセットとかさせられなかったか?』
玉『!どうして分かったのですか?』
鵺『あんにゃろ~~っ!!!』
玉『鵺野先生!いい加減にしないと怒りますよ!』
鵺『ふんっ、覗き趣味の性悪年寄り狐なんか敬うもんかっ!』
玉『は?覗き趣味?……あ、カメラ』
鵺『ほら見ろっ!』
玉『九尾様、見ていらっしゃいますか~?人形ありがとうございます。おかげ様で先生ともなかよ……ぶぐっ』
小さなカメラに手を振る玉藻。 それにチョップするぬ~べ~。
鵺『ってビデオレターかいっ!!ったく……玉藻!寝室行くぞ、避難だ!あいつが見て笑ってると思ったら……あーっ、むしゃくしゃするっ』
因みに、もう既に大爆笑です。笑い転げてむせていらっしゃいます。
玉『えっ、え……寝室……先生……』
九尾様、御雛様、本当にありがとうございます。鵺野先生がちゃんと
お嫁に来てくれそうです。
ぬ~べ~の言葉を何か別の誘いと勘違いした玉藻は頬を赤らめながら、ぐいぐいと自分の手を引っ張っていくぬ~べ~の背を見つめた。
ああ、そんなに焦らなくても良いのに
v
何てお可愛らしい鵺野先生
vV
因みに、玉藻はさっきの女雛をしかと持ったままです(笑)
☆★☆玉藻の誤解は解けたのかそのままぬ~べ~が酷い目にあうのか…★☆★
オマケ
翌朝、目を覚まして、九尾様への嫌がらせにパンツ一丁の姿でも見せつけてやろうと、いつの間にか玉藻が完成させていた雛飾りに近付いたぬ~べ~は、奇声を発したのでした。
玉『あっ、鵺野先生、気に入ってもらえましたか?』
鵺『…………玉藻』
玉『はいっ』
鵺『すぐ片付けろ!すぐっ!お前確かインフルエンザのふりしてたよな!じゃあ今日も休みだよな!俺も手伝ってやるからすぐ片付けだっ!!今、片付けだ!!』
玉『え~っ、大丈夫ですよ。まだ片付けなくても嫁き遅れなんかにはなりませんよ』
鵺『いいからすぐ片付けろ~~~~~~~~っ!!!!!!!!』
鵺野先生が横暴にわめいてまで目の前から消したかった物、それは眉毛が描き足された女雛(爆)
玉『…………可愛いのに』
それから暫くぬ~べ~は、殺生石まで文句言いに行くぞ!と騒いでいたそうな。
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