ハロウィンフリー絵ようやく完成っ!!!
ってな訳で、あの絵をネタに、玉藻とぬ~べ~でネタ行ってみよう!
☆★☆ピンポーン、玉ちゃ~ん★☆★
陽「トリックオアトリート~~ッ!」
玉「……鵺野先生」
玉藻がドアを開けると、中身が成人男性の小学生…陽神君がいました。何か妙な格好をしています。
今日はハロウィン、この浅はかな男は子供の格好ならお菓子集め放題だとでも思ったのでしょう。
絶望した…バカなライバルに絶望した!と叫んでしまいたい位に呆れながら、玉藻は目の前の『小学生』の本名を呼びました。
玉「では、トリックを選択しましょうか。何か用意できているなら、ですがね」
悔しがりそして帰れと言わんばかりに、玉藻はドアを閉めかけながら言いました。
すると、陽神君は瞳をキラリと輝かせ、閉まりかけのドアの隙間からにゅるりと玉藻の部屋に侵入しました。
陽「ふっふっふ…かかったな玉藻!」
玉「何…?」
陽「じゃあ俺の悪戯に付き合えよ?はい、なるべく吸血鬼っぽい格好に着替えてくること~っ!」
玉「は?…私が吸血鬼なら、なるべく普通の人間らしい服装で紛れ込みます。このままで十分でしょう」
陽「ちーがーうっ!いかにも『吸血鬼』って感じだよ」
玉「…悪戯といったら貴方が私に何かするのが筋でしょうが」
陽「ふーん…自信ないんだ」
ポソッと陽神君が呟いた言葉に、玉藻の眉がピクリと動きます。
玉「舐めないで下さい」
陽「じゃあ、口先ばっかりでごちゃごちゃ言ってないでさっさと着てこいよ~」
お尻ぺんぺんして見せられた玉藻は、何となく乗せられている気がしないでもなかったがムカつきが優先…、そこで待っていろと言い放って着替えてきました。
玉「着ましたよ。…私を煩わせたんだ、つまらない悪戯だったら承知しませんよ」
怒りのあまり、妖気がゴゴゴと渦巻いています。
陽「おっ、いい感じじゃないか♪じゃあ、後ろ向いて…ム、届かない…屈んでくれ」
玉「…」
うにっ。
玉「!?」
陽「はははっ、牙までバッチリ吸血鬼~~♪♪」
玉「あにをす…っ」
陽神君は、とてもしょうもないいたずらをしました。
玉藻の口の端を思い切り引っ張って、犬歯を出しただけです。
陽「よーし、このまま町に出るぞっ!お前の容姿なら女の人からお菓子もらい放題…いひひ。よっ、色男!ほらほら立って、行くぞっ♪」
玉「…くだらん」
玉藻は青筋を立ててはいますが、あまりに低レベルな悪戯と計画に、キレる気力さえ無くしました。
陽「くだらなくなんかないっ!これはだな…」
玉「…ところで、貴方のその格好は何なんですか?」
全く持って乗り気では無いものの、陽神君の奇怪な格好は気になっていたようで、玉藻は陽神君の台詞を遮って問い掛けました。
陽神君は…はんぺんとも油揚げともつかない不味そうなものを頭に二つ刺し、ウーパールーパーのそれに似た尻尾様の何かを尻から生やしているのです。
陽「え?わからないのか?お前見た事あるだろ?」
玉「?」
陽神君は心底意外であるといった顔をしました。
陽「絶対見てるって!ほら…例えば鏡とかでさ」
玉「…まさか」
陽「どっからどう見ても妖狐だろ!ほら、あの…石蕗丸とかみたいなさ♪」
玉「…愚弄するなっ!!!」
プチッと、何かがブチ切れる音を遠くに聞きながら、玉藻はついにマジギレしました。
陽「え!!!?」
玉「石蕗丸!すぐに来てくれ」
陽「え、え?」
玉藻は瞳を閉じて、何処か遠くと話しているようです。
陽「…玉藻?」
玉「貴方はそこで正座でもしていなさい」
陽「…はっ、はいっ」
陽神君が気迫負けしてもぞもぞと座っている間に、ヒラリと木の葉が舞って石蕗丸が現れました。
石「石蕗丸、参上いたしました!」
玉「……早いな。まあ良い。石蕗丸、あれは何だと思う?」
陽神君を指差した玉藻、さっきとは違って随分優しい口調です。
石「む…申し訳ありません。あまり下等な妖怪には関心を払っていなくて…勉強不足でございます」
玉「知らなくても構わないさ」
ニコニコと笑った玉藻が石蕗丸の頭を撫でました。口調は過剰に優しいままです。
陽「誰が下等妖怪だっ!」
玉「そうそう、あれは彼の中では妖狐だそうだ」
石「…は?」
怪訝な顔をして陽神君を見た石蕗丸は、一瞬なるほど!という顔をして武器を取り出しました。
石「玉藻様のお手を汚すまでもございません。処刑はこの石蕗丸にお任せ下さい」
陽「しょけいっ!?ちょ…」
石「死ね、五流妖怪」
シュパーーン!!
石蕗丸の刃が空を切りました。
石「むっ、こやつ出来る!」
陽「ひぃっ!おい玉藻止めろよ!」
石「貴様何と無礼な!」
玉「良いじゃないですか、鵺野先生。どうせ陽神の体じゃ死なないんですから」
陽「そういう問題かっ!」
石「鵺野先生!?」
更なる斬撃を加えんとしていた石蕗丸の肩を掴んだ玉藻が更に続けます。
玉「ああ、気を練ったものに魂をくるむ術があってな、彼はそれで『妖狐』に仮装したらしい」
石「むぅ…しかしあれでは…」
玉「ああ、許しがたいレベルだ」
陽「そりゃ確かに、本物よりちょっと形が妙だが…」
石「ちょっとと吐かすか!?」
石蕗丸を見ながら姿を修正する陽神君。その言葉に石蕗丸は目玉が飛び出しそうです。
陽「ハロウィンの仮装としてはこんなもんで十分だろ?」
玉、石「駄目です」
陽「え…」
玉「鵺野先生、いくら貴方でもその格好で妖狐を名乗られては不快だ」
石「いかに玉藻様の恩人であろうとも八裂きにしてやりたい…」
陽「何ーっ!?」
かくして、陽神君は、両名のジャッジで妖狐の格好だと認められるまで立ち居振る舞いから指導されるハメになったのでした。
ちなみに、レッスンは終止以下の様な物で、陽神君は合格点をもらう前に、妖狐二人の隙をついて逃走したそうな。
石「玉藻様、こいつ駄目ですね。所詮人間。才能無いですよ」
玉「…見損ないましたよ、鵺野先生。妖狐の風上どころか風下にさえ置けません」
陽「なっ…そこまで言うか!?くそっ、何が違うんだよ!お前ら何かの鬱憤はらしてるとかじゃないだろうなっ!?こうか!?これでどうだ!?」
奇怪なポーズを取ったり変形を繰り返す陽神君。しかし玉藻と石蕗丸の視線はいつまでも冷たいままです。
玉「…ハァ。文句の言い方に品が無い。論外です」
石「全く…毛先が乱れてますよ。最低ですね。僕ならそんな尻尾になったら迷わず死にます」
玉「同感だ」
酷い事この上ない意見に腕組みしてうなずいた玉藻は、ついでに更に気に食わない部分を指摘します。
玉「ああ、鵺野先生。今の、耳の動きもなってないですよ」
玉藻の横では石蕗丸が大袈裟に溜め息。
陽「うがぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!(号泣)」
もちろんお菓子の収穫は、ゼロ。
☆★☆仮装するものはよく考えて選びましょう★☆★
……それにしても。
何故クェはカップリング前提じゃない方が絡みが激しいのだろう。
石蕗丸の来るのが異様に早いのはですねぇ……多分玉藻以外が玉藻の部屋に入ったら知らせが来るような仕掛けをこっそり……(それなんてストーカー?/笑)
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