人化の術に関する考察によって発生したっす。
…乙女的にはどうかと思われそうな玉藻先生。
ぬ~べ~一人称小説風~。
☆★☆同居ネタで行ってみよう★☆★
俺、ぬ~べ~こと鵺野鳴介は、ちょっとした事情で玉藻という医者のところに居候している。
こいつがまた気障で嫌味なくせに異様にモテるんだが…やたらと身仕度が素早い。
食事スピードは同じ量ならむしろ俺の方が早い位で、着てる服なんかは俺と似たような…普通のワイシャツにズボン、普通のネクタイ…髪は俺より遥かに長い。
なのに、俺が髭を剃り終わる頃には綺麗さっぱり身仕度が済んでいる。
こいつ妖怪なんだけど、毎朝妖術を使ってるって気配はない。
…生徒が元気なのが一番の俺だが……そりゃあ、ちょっと位は……そう、今よりちょっと位は女性にキャーキャー言われるとまでは言わないがモテたい……と思う。
だから、物凄く癪だが…モテる男の生活ってやつを、チラッと!本当にちょっとだけ、参考にしてみようと思った。
「…おはようございます。鵺野先生」
「ん、おはよ」
まずは、ちょっと眠そうに起床…こういうのは、魅力的なんだろうか。
「あの…何故ついてくるんですか?」
「別に」
大の大人二人で入ったから狭苦しくなった洗面台で、玉藻はとりあえず顔を洗った。
…別に何か色々使う訳ではないらしい。
食事はいつも見るから省略。普通に朝ご飯。今日は俺がついて回るからかチラチラ不審げな目を向けられたが、今日くらいは我慢してもらおう。
その後、丁寧に歯磨きして……あれ?
髭剃らないで着替えに行った。
「玉藻?」
「…何です?」
…着るのはそんなに早くないんだな。
服を着る途中の玉藻が軽く鬱陶しそうにしている。こういう人を邪険にするのは…女の人にとっては良いのか……?まさかなぁ。
「お前ってさ、髭とかいつ剃るんだ?」
俺はもう直接聞くことにした。
「は?…何野蛮な事言ってるんですか!?」
「へ?」
「まさか…そのおぞましい器具を私に使うつもりで追い回していたのではないでしょうね!?」
「あ、いや、これは俺が剃る用」
なんで、髭剃り揺らしただけでフーッとか言われなきゃならないんだ?
「嘘だったら燃やしますよ」
…妖狐にとって髭は何か凄く大切なんだろうか……。
「でも、普通剃るんじゃ…」
納得がいかない俺につかつかと玉藻が近付いて来た。
そしてご丁寧に髭剃りをはたき落としてから一言。
「必要に見えますか?」
「……いや」
不機嫌そのものの玉藻の顎に髭らしきものは見当たらない。
そう言えばもう髪は括ってある。
「あれ?お前髪の毛、梳いたっけ」
「は?」
「え?」
「梳いていませんが……何か?」
「あ、ああ…そう」
俺は、人間と妖怪の違いを思い知り、玉藻の前髪の、くるんとした所をつまみながら力なく返事をするしかなかった。
俺が毎朝こいつの真似をしていたら、もっとモテなくなるのがオチだ。
朝っぱらから強烈な脱力感に見舞われながら、俺はちょっと心配になった。
「なあ玉藻、今日一緒に風呂入らないか?」
「嫌ですよ、狭い」
ネクタイを中途半端な所で結び終わった玉藻は溜息混じりに答える。
「入るったら入るの!絶対だからなっ」
「そうなる意味が分かりません」
意味はあるさ、お前が風呂に入る習慣があるのは知ってるが……ちゃんと体洗ったりしてるかは知らない。
……もし漬かってるだけだったら丸洗いしてやる!
俺はそう心に決めた。
「…まさか丸腰の所を狙って髭をそってやろうなんて思ってはいないでしょうね?」
お前にとっての髭の地位ってどんなもんなんだよ。口に出して突っ込む気力を無くした俺の前で玉藻がついに首さすまたを手に取った。ヤバい。
「た、玉ちゃん…あの俺は別にそんなつもりで言ったんじゃなくて……」
「信用ならん」
「とりあえず…その物騒な物は片付けないか?」
「物騒な物ではなくて家宝です」
……駄目だ、取り付く島が無い。
それでも俺は諦めるつもりは無い。
だって何か癪じゃないか…体も洗わん奴が女に囲まれてたりしたら……っていうか!もしそうだとしたら看護士さん達が可哀相だっ!!!
☆★☆獣臭い玉藻先生がちょっと心配です★☆★
だって劇中に入浴シーン無かったし垢舐めの時も出てこなかったし…(まあ垢舐めじゃあ襲撃するのが命懸けになりすぎるとかだろうけど)
獣臭≒洗ってない犬の香りだったら…と思うとガクブルでしたが、小説の記述によると、獣の臭いの「臭い」は何か気配とかそんな感じの比喩っぽかったのでホッとしました。
髭は…妖狐の顔が比較的普通に狐なら…剃った姿なんて…うぅっ…実は生まれてこの方体を石鹸で洗ってないよりヤダ…てな訳です。
で、人化の術に関する考察ですが…あれは本人が「南雲秋彦に瓜二つ」と言ってましたよね。南雲さんの死因は妖狐の谷らしき場所への転落死もしくは遭難した末に餓死って可能性が高いから、明らかに死亡時の姿コピーではないから平常時の姿に瓜二つなんでしょうね。転落死だった場合は怪我の類を修復した上での死亡時の姿なのかもですがね。
で、瓜二つレベルを完コピーと仮定してみた場合、「妖狐玉藻」本人が毛むくじゃら度アップしたって寝癖付いてたって、ハゲたってきっと「玉藻京介」の姿は変わらないのでしょう。
だったら、上記のようなのもアリなんじゃないかと…って止めてください投石とか凄く非人道的ですから~っ!!!!!
イギャアアアアッ!!
ーーオマケーー
「うあー痛ててて…ったくやりたい放題して出て行きやがって…」
無理矢理一緒に風呂に入ったはいいが、侵入の段階でかなり痛い目をみたぬ~べ~。
真新しい擦り傷切り傷引っ掻き傷歯形を撫でながら寝室へ。
「……フン」
ぬ~べ~の姿を認めるやいなや、ベッドの上で玉藻先生がそっぽを向きます。
「…………玉……藻、何やってるんだ?」
そして玉藻先生が再開した行動に、ぬ~べ~の目は点に。
「毛繕いです。邪魔しないで下さい」
「あ…うん」
長い髪は放置でも、かなり目立たない産毛はしっかり世話するらしい。
せっかくさっき洗ったばかりの体を唾液まみれにするのかよとか髪の毛は良いのかとか…色々と突っ込みたいぬ~べ~はそう簡単には寝付けず、毛繕い済みの産毛を逆撫でしてキレられ、終いには床で寝るはめになったそうな。
ーーー
いやぁ何て言うかイヤーですね。
ってか一緒に風呂入ったり同居だったりな割に何かカプものっぽくはない仕上がりになりましたね。
……ところで、今回ぬ~べ~はひたすら玉藻に警戒され怒らせまくりでしたが…こういった私生活を玉藻がしていた場合、仲良くなったら毛繕いしてくれたりするんでしょうかね。
カレー食べた後とか………イヤー。ウーコーンー。
あれ?黄色いのってウコン?あれ??
あ、ブルーハワイも嫌だな。
今回描いた落書き、落書きのくせに産毛の流れに逆らわない方向で舐めることができるポーズを考えるのが案外大変でした。
……え?そんな事より玉藻はまともに風呂に入ってたのか入ってないのかって?
御想像にお任せします☆
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