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こっちはまあなんかとりあえずラブラブで、
玉:先生、これ、人間の夏服なんかじゃないですよね。
鵺:あー流石にバレた?
玉:ふふふふふ、危ないところでしたよ。
鵺:…その割に機嫌いいよな。てか分かってて何で着てきたんだ。
玉:先生が逆らったら、すぐさま貴方が女児にいたずらしている幻に切り替える準備もできてるのにニヤニヤせずにいられる程の演技力は私にはないですよ
鵺:粗相待ち!?
玉:ふふふ、さあて楽しみましょうね
暗黒微笑の文字がピッタリなスマイリー玉ちゃん。
傍らには携帯ゲーム機。
起動したまま、特にプレイすることもなく置かれたそれに、ぬ〜べ〜はそっと手を伸ばします。
鵺:痛っ!
叩かれました。
玉:あー鵺野先生。それに濡れた手で触らないで下さい、おもちゃとはいえ電子機器なんですから。
鵺:ゲーム画面と玉ちゃんというと、思い出すものがあるんだが…
玉:……言ったでしょう、準備はできてますと。
鵺:本当に着てる?
玉:(ぎくりー)ふっ、何を言い出すかと思えば…。おほん、私が狐だからといってとりあえず疑ってかかるのはいかがなものでしょうね。そもそも我々妖狐は、恋人への対応に関しては誠実を尊ぶものであり…
あー始まった…怒涛の言い訳語りタイムに、ぬ〜べ〜は苦笑い。こんなときには騙されてあげるのが優しさです。
玉:…まあ、そういうことなので、つまり…
鵺:で?俺に何をさせたいんだ?
玉:…えっ、良いんですか?
鵺:社会的に死ぬのはごめんだから、なっ
整った作り物のような顔がほころぶのを見られるなら、騙されるのも悪くない。
玉:そうですね、では…
ぱさりとタオルを地面に落とす玉ちゃん。その下にそっと手を差し入れます。
玉:プールサイドで休憩する間は、手を繋いでいて下さい
鵺:おー怖い。こりゃあ逆らえないな
玉:…早くしないと死にますよ。社会的に
こんな風にでもしないと照れ臭いんだよな。睨まれてようやく応じるぬ〜べ〜に、微笑んだ玉ちゃんが続けます。
玉:ふっ、それから、あれは今夜あなたが着てくださ…
パタン
玉:あっ
鵺:随分暑苦しい格好がお好きのようだな妖狐さまは
手を封じられても足があるのだ。ゲーム機の蓋を閉じることなど、運動神経抜群のぬ〜べ〜には造作もない。
玉:あー……ははは…乱暴に扱わないでくださいよ
鵺:はっはっはっはっは、ゲームの扱いなんか知らん
ぬ〜べ〜お怒りです。
これはマズイと玉ちゃん。
玉:まあまあ…お互い様ということで普通にプールを楽しみめば……ああっ!
鵺:む?……おおーっ♪アイドルか!?
玉ちゃんの指差す先にはゆさゆさたわわなビキニのお姉さん。たちまちぬ〜べ〜の鼻の下が伸びます。
こうなればしめたもの。妖狐の俊足発揮です。
玉:…ふん、愚かなっ!だいたい元はと言えばあなたが騙そうとしたのが悪いのだ。
鵺:玉藻〜〜っ!!
プールサイドを走る悪い大人達がおうちに帰って、私が見せた幻とはいえあれは浮気なのでは?vs玉ちゃんどうせああいうのが好みなんだろの戦いを始めるのはまた別のお話。
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すっかり秋なんだけど、初夏から真夏ネタでした(笑)